No.1

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「はよ言ってや!」 大倉がムキになって言う。 あー、どうしよ。 なんも思い浮かばへん。 でも、はよ言わな大倉に馬鹿にされる。 そう思ってとっさに出た言葉、 「ゲッツ!」 少し前に流行った一発屋芸人のギャグ。 「……。」 普段の俺からは、想像出来ない事を言ったからか目を丸くし口を開けたまま数秒止まる大倉。 最悪や……。 すべってるやん。 数秒の沈黙の後、 「…からの?」 「は?」 「いや、オモロイ事言うんやろ?ゲッツからの?」 まさかの続きを求めるコメント。 なんや、コイツ。 何にやけてんねん。 キショイわ。 だんだん苛ついてきて、次に出たのはギャグというか悪口。 「ほんなら…。お前自分の事イケメンと思てるて、どうかしてるぜっっ!!」 「はぁ!?事実やん!」 「いや、言うとくけどな、お前より俺のほうが顔も頭も何倍も上や。」 普通に口喧嘩になってきた。 「何言うてんの!?大体な、オモロイ事言うのに人のネタを使っといてスベるとか最悪やで!?」 「……っう」 痛い所をつかれる。 「一回謝っとき。」 「本人居らんのにどうやって謝んねん。」 「ほんなら俺が代わりになるから謝って。」 調子に乗ってきた大倉。 「お前に謝るとアホが移るから嫌や。」 「アホちゃうわ!」 「お前ら2人ともアホや!」 いきなり聞こえた第三者の声。 ドアの方を向くと少し苛ついたように立つ村上くん。
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