No.1

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「そっか…」 「なんや、あんまり嬉しそうやないんやね。」 「生まれつきそういう顔ですから。」 …確かに、大倉の言う通り嬉しくない。 理由は、大倉の行動。 大倉が喋りながら頬を掻くのは癖。 だけど、その癖が出るのは嘘をついてるとき。 これは長年大倉と一緒にいた、俺の研究の成果。 要するに、俺は良くなってないし、もしかしたら悪くなってるかもしれない。 「あ、分かった。退院して俺と離れるのが寂しいんやろ!」 「……。」 「え?無視?ちょ、やめてやぁ。俺完璧スベってる感じになるやん。」 「……。」 「本間にやめて。お願いやからツッコンで。」 「嫌や。お前めんどくさいもん。」 「ひどっ!」 ひどいのはどっちやねん。 悪いんなら悪いて言うてくれた方が楽や。 あと、何年? あと、何ヵ月? あと、何日? あと、何時間で俺は死ぬ? ,
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