永久不運

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「う~ん、どういう事だ?」 この首をかしげているのがこの俺、豊藤大河(とみふじたいが)である。 成績は中の下、身長170そこそこ、体重は最近太って65超えるが、これと特徴がないと言いたいが……。 俺は色んな意味で幸不幸(こうふこう)である。 その意味と言うのが…… 「うおぃ、買ってきたぞぉ~~」 ダルそうに帰って来たコイツは、坂西亨(さかにしとおる)。 小学校時代からの親友である。 「ん?おい、チョコはどうしたんだよ」 俺は亨の手元を見ると、明らかに銀チョコをくるんでいる銀紙がなかった。 亨は「ハァ」と溜め息をつき、 「……今日は無かった」 「ハ?」 「今日は何故か売り切れだった」 そう、いつも俺はこうなのだ。 何かで勝っても次の出来事で勝った事も無惨に無にきしてしまうのだ。 つまり、先程のジャンケンに勝ったが目的の物がない。 これでは勝った意味がない。 更にいつも『これでは終わらない』のだ。 「んで、何か買ってきて買って来てくれたか?」 「あぁ、これしかなかったが、一応買ってきた」 亨は片手に持っていた紙袋を渡してきた。 口は何故か厳重にデッカイクリップで止められていた。
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