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「んで、何に憧れるんだ?」
ニカッと笑った純粋な笑みで、アリスに迫る。
魔理沙本人には全く悪気はないのだろうが、アリスは、魔理沙の顔が近づくにつれ少し顔を赤くして俯いた。
「べ、別にいいでしょ……」
幸せな花嫁に憧れるなんて、恥ずかしくて誰にも言いたくなかったからだ。
しかし、鈍感な魔理沙も、並べられたウェディングドレスを見て、ようやく気づいたのか、口元がニヤニヤし出した。
「な、なによ」
「お前がそんな人間みたいなモンに憧れるなんてな」
ニヤニヤ笑いながら、魔理沙は確かに的を得たことを言っている。
魔法使いが、人間のような関係に憧れるなんて、可笑しい、と。
「わ、私だって、元は人間なんだからね!」
「そういやそうだったな」
根本的な部分で、アリスはまだ魔法使いになりきれていない。
他の妖怪たちのように、人間を襲ったりはしないし……。
「それで、祭りにエントリーしたのか?」
「は? なんでよ?」
「だってお前、花嫁に憧れるんなら出るべき……」
と、言った所で、魔理沙はあることを思い出した。
そんな魔理沙を見て、急に会話が途切れたアリスは不思議に首を傾げた。
「そっか。そうだったな、悪い」
「な、何よ?」
急に謝りだす魔理沙を見て、アリスは奇妙がる。
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