第零章~純白な乙女の儚き憂鬱

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「わ、私にだって……」 しかし、 アリスは、数秒後に冷静さを取り戻した。 それと共に、怒りも羞恥も迫力もどこかへ消えてしまった。 いないから―― 人と、妖怪と、それ以外の生き物と、アリスは深く関わろうとしない。 だから、相手とかじゃなく、親友すらアリスには遠かった。 「…………」 「ん? どうした、アリス?」 先ほどまでのやりとりから一転した空気を感じ取った魔理沙は、不思議がって、首を傾げる。 アリスは目の前の、魔理沙を見て、クスッと笑んで、彼女に背を向けた。 「帰る……」 アリスは思っていた。 魔理沙ですら、自分は本当に心を許せていない。 親友と呼ぶにはあまりに遠い距離でしか話せない。 だから、 だから、アリスは願っていた。 自分の心を素直に伝えられる、そんな相手の出現を。
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