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「なんだっ、一体?」
リガードが口を開くと同時に、レイドはすぐさま立ち上がり、窓から外の様子を伺う。
「な……っ、ま、街の中央から火の手がっ」
「なんだとぉ!!」
リガードも凄い形相で窓に近づく。
「怖いよ~、カイルお兄ちゃ~ん」
ミイナは震えながら隣に居たカイルにしがみついた。
「だっ大丈夫だよ! 心配ないって、なっ?」
カイルは妹を勇気付ける為に、恐怖心を隠し平静を装おうとしている。
「二人とも大丈夫よ」
ミレーネは優しくカイルとミイナを抱きしめた。
ドンドンドンッ
突如玄関の扉が叩かれ、すぐさまリガードが駆け寄り扉を開ける。そこには血相を変えた30代後半の男の姿が。
「大変だっ!!
あ、悪魔が大勢で攻めてきたっ!」
「なっ、なんだって!
街の結界はどうなってるんだっ!!」
「それがっ、結界がなくなってるんだっ。
戦える大人は皆、街の中央で応戦しているから、リガードさんも早く来てください」
「わかった、すぐに行く!」
男はリガードの返事を聞くと、すぐに駆け出していってしまう。
「父さんっ、僕も行きます」
いつの間にかブロードソードを手にしたレイドがリガードに近づいた。
「よしっ、わかった。
ミレーネはカイルとミイナと一緒に結界を張って地下室に隠れていろ」
「あなた、私も元聖霊術士です。
結界を施したら、私も行きますっ」
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