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リガードは拒否しようと思っていたが、ミイナの真っ直ぐな眼差しに根負けしてしまう。
「ふっ、昔からキミは言い出したらきかないからな。
でも無理はするなよ」
「えぇ」
リガードはミイナの前に行くと、目線に合わせるようにしゃがみミイナの頭に手を置く。
「すぐに戻って来るから、カイルと一緒にいい子で待ってるんだぞ」
「うん……」
ミイナは不安げにうつむいたまま返事をした。幼いながらに迷惑をかけてはいけないと思い肯定したのだが、本当は不安で仕方ない。
それもそうだろう、3人が出ていってしまうと自分達2人だけになってしまうのだから。
「よし、いい子だ」
リガードはミイナの心中を察し、少しでも安心させようと頭を優しく撫でてやる。
ミイナの表情が少し和らぐのを確認すると、次はカイルの方に向き両肩に手を置いた。
「カイル、ミイナのこと頼んだぞ」
「任せてっ、ミイナは俺が守るから!」
「よしっ、男同士の約束だっ」
リガードとカイルは、お互いの拳を軽くぶつける。
リガードは2人の表情を確認すると、立ち上がり顔を引き締めた。
「行くぞっ、レイドっ」
「わかった、父さんっ」
2人はお互いに目配せすると、飛び出していく。
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