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ミレーネはすぐ近くの棚にあったチョークを手に取る。
すると、床に一筆書に五芒星を書き、その頂点を結ぶように円を描く。
次に、その外側に同心円を描き、円と円の間に古代文字を書き込んだ。
これは、弧法陣と呼ばれるものである。
ミレーネはチョークを棚に戻し、杖を弧法陣に向けて構えた。
「火、水、風、土、木の聖霊よ、我が声に耳を傾け、魔を打ち払う力を与えたまえ。
其は魔を拒絶する聖なる守りなりっ、セイクリッド・シェルッ!!」
ミレーネの詠唱に反応して、弧法陣の中の五芒星の頂点が1つずつ赤、青、緑、黄、茶色に光り出す。
そして、詠唱し終わると、弧法陣自体がまばゆい白い光りを放ち始めた。
今ミレーネが使ったのは聖霊術と呼ばれる術の1つで、火、水、風、土、木の聖霊の力を借りて結界を張るというものである。
ミレーネはカイルとミイナを引き寄せ、抱きしめた。
「ここに居たら、大丈夫だからねっ」
「「うんっ」」
ミレーネは安心感のある声を2人に優しくかけると、2人はほんの少し安心した顔で返事をする。
「いい子ね。
すぐにお父さん達と帰ってくるからね」
ミレーネは2人の頭を撫で、急いで階段を駆け上がっていく。
地下室の入口が閉じられ、カンテラと弧法陣の光りに照らされ地下室は不思議な雰囲気に包まれた。
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