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(歳は取りたくないものだな……。一発放っただけでこんなに息が上がるとは……。
くっ……、胸の傷まで痛みやがる)
リガードは平気な顔をしていたが、まだ少し胸の傷が疼いていた。
この傷はリガードが現役だった頃に受けたもので、これが元で騎士を引退したのだ。
「父さん、本当に大丈夫? 苦しかったら、少し休んでなよ」
「大丈夫だ。それにゆっくりしていられる状況じゃない……」
リガードのおかげで上空の悪魔達は消滅したが、未だ街には無数の悪魔達が暴れ回っている。
「――来るぞっ」
2人に向かって、10数体のオオカミ型の悪魔が駆けてきた。
「飛刃連斬(ひじんれんざん)っ」
レイドはその場で4回ブロードソードを素早く振ると、4枚の衝撃波の刃が悪魔達に向かって疾走していく。
衝撃波は悪魔達を襲うが、それを免れた5体が2人に飛び掛かった。
「炎刃波(えんじんは)っ」
リガードが横薙ぎの一閃を放つと、炎の波が現れ悪魔達を飲み込んだ。
しかし、既に悪魔の第2陣がこちらへ向かって来ていた。
「ちっ、きりがないな」
リガードの声には焦りが含まれている。
「――ロック・レインッ」
ドドドーーッ
女性の声が響くと同時に悪魔達の頭上から岩石が現れ、悪魔達を押し潰した。
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