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「遅くなったわね。2人とも怪我は無い?」
後方からミレーネが2人に近寄った。先程の声の主は彼女だ。
彼女が放ったロック・レインという述も聖霊術の1つで、土の聖霊の力を借り敵の頭上から無数の岩石を降らせるというものだ。
このように聖霊術には弧法陣が要るものや要らないもの等色々な種類が存在する。
「あぁ、これぐらい何て事もない。それよりもあの子達は?」
「ちゃんと結界を施したから大丈夫よ。
……でもすごく怖がってたわ」
「……そうか、あの子達の元に早く帰ってやらないとな」
ドカーーンッ!!
「「「―――っ」」」
突然、先程悪魔達を押し潰した岩石が粉々に弾け飛んだ。
「――ぐふふふっ。こんなところに聖騎士が居るとはな。
退屈な仕事だと思ってたが、楽しめそうだっ」
煙越しに人影が現れた。
「きっ貴様は……」
煙が晴れるにしたがい、その正体が明らかになってきた――。
身長2m程の黒い鎧を纏った男だが、人でない事が一目瞭然だ。
なぜなら、背中には広げると4mを越えるであろう巨大な翼、頭には二つの巨大な角、尻からは太くもしなやかな尾が生えていたから。
「我は、ディストラクニアのヴェルディ」
「「「―――っ!!!!」」」
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