Episode-0. プロローグ

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「いいですねぇ~、そのまだ諦めていない顔。 次はそちらの番です。我を楽しませる為に十分に時間をかけ作戦を練ってください。 そうでなければ……楽しめませんからねぇ~、くくくっ」  ヴェルディは怪しい笑みを浮かべた。  リガードとミレーネは警戒しながらレイドに駆け寄る。 「レイド、大丈夫か?」 「待ってて、今回復術をかけるから」  ミレーネはしゃがみ、レイドの腹部に手をかざした。 「風の聖霊よ、優しき風にて傷付きし者を包み癒したまえ、……ヒール・ウィンドッ」  ミレーネの手から淡い緑色の光が溢れ、みるみるレイドの傷が塞がっていく。 「ありがとう、母さん。……ぐっ」  レイドは立ち上がろうとして、目眩に襲われ膝をついた。 「傷は塞がったけど、流出してしまった血までは戻ってないから、無理しないで」 「レイド、お前は休んでいろ」 「……ごめん、父さん」 「何を謝ってるんだ、子供は黙って親の背中を見ていればいい」 「そうよ、私たちに任せてあなたは休んでなさい」 「父さん……母さん……」 「大丈夫だ、俺に任せておけ」  リガードは頼もしい笑顔でレイドの肩に手を置く。  リガードとミレーネはヴェルディとの距離を保ちつつ、レイドから離れた。
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