Episode-0. プロローグ

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「ミレーネ……フルパワーのヒート・ブラスターを撃つ」 「……命懸けで、ですか?」 「――っ!! ミレーネ……何故わかった」 「ふふっ……何年あなたの妻をやってると思ってるんです? あなたの考える事くらい丸分かりですよ」 「ははっ、お前には頭が上がらないな。 ……今までお前には苦労をかけっぱなしで、すまなかったな。 こんな俺に付いてきてくれて……ありがとう、幸せだったよ」 「あなた……」  リガードはミレーネを抱きしめた。 「ミレーネ……愛している」 「……私も愛しています」  ミレーネの目には涙が溢れているが、2人とも決意がその瞳に浮かんでいた。 「後の事は任せるっ」 「はいっ」  リガードはゆっくりとミレーネから離れ、ヴェルディの方に向き直る。 「待たせたな」 「で、決まったのですか?」 「あぁ……俺一人でやる」 「くくくくくっ、あなた一人でですか……。気でも狂いましたか?」 「いや、俺は本気だ! お前と真っ向から力比べがしたい……」  リガードの顔は真剣なものだ。 「力比べ?」 「そうだ……俺は全身全霊で、さっき上空の悪魔達を蹴散らした技を撃つ!! だからお前も正面から来いっ」 「……それで勝てると思ってるんですか?」 「あぁ……」  リガードの顔は自信に満ち溢れている。 「ふははははっ。面白いっ、……いいでしょう。 その顔を絶望の色に染めてあげますよ」
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