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「――ぐふっ……」
突如、歯を食いしばっていたリガードの口元から血が滲み出た。
(やばいっ……このままだと……)
すると、徐々に黒い光線が押し始める。
そのとき、すっとリガードの右手にミレーネの手が触れた。
「ミッ、ミレーネ……何をっ」
「あの子達の未来を守る為に……私も命を懸けます!!」
ミレーネの身体からも白い光が現れる。
「……エンゲージ」
そう優しく唱えると、ミレーネからリガードに力が流れ込む。
エンゲージとは、心から信頼している相手に自身の生命力を分け与える技だ。
今ミレーネは死を覚悟で生命力の全てをリガードに流し込んでいる。
「私達の想いと共に……」
「いけぇぇぇーーっ」
赤い光線が肥大化し、黒い光線を飲み込んでいく。
「――くっ……こっ、こんなっ……バカな。
ぐわぁぁぁーー」
赤い光線がついにヴェルディを飲み込んだ。
ゴオォーーー
辺りにまばゆい白い光が溢れる。
「うわぁー」
レイドはあまりの眩しさに目を閉じた。
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