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カイルはレイドのすぐ近くで立ち止まるが、ミイナはレイドの胸に飛び込んだ。
「おゎ、久しぶりだなミイナ~。
また可愛くなったんじゃないか?」
レイドは飛び込んできたミイナを抱き止め、ミイナの頭を撫でる。
ミイナはほんのりと頬を赤く染め、上目遣いにレイドの顔を見ながら、
「エヘッ、ありがとっ」
と嬉しそうに満面の笑みで言った。
「レイド兄ちゃん、半年じゃ全然変わらないって」
「そんなことないって。
カイルも少し大きくなって、カッコよくなったんじゃないか?」
「そっかなぁ~?」
カイルもまんざらでもないといった感じの笑みを浮かべている。
「って、レイド兄ちゃん何で家の前にいんの?」
「いやな、家の前まで帰ってきたら、ミイナとカイルが歩いてくるのが見えたから、待ってたんだよ」
「そ~なんだ。
じゃ、早く家に入ろうよ。
俺、腹減ったよ」
「ミイナもっ」
「ははっ、そうだな」
レイドは鞘に入れて傍に置いていた騎士団支給のブロードソード(両刃の片手剣)を右手に持ち、着替え等身の回りのものが入ったリュックを肩に担いだ。
カイルが扉を開け、ミイナ、レイド、カイルの順に入っていった。
「「「ただいま~!」」」
扉が締まる間際、ディアハルト家の三兄弟の元気な声が辺境の街レンブライトに響き渡る。
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