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ミレーネ以外の三人は、一様に澄みきった蒼い瞳を持っている。
赤系統の頭髪に蒼い瞳は、ディアハルト家の血を引く証なのだ。
「もぉっ、あなたったら」
ミレーネは照れ隠しに空になった食器を持ってそそくさとキッチンに行ってしまう。
「ところでレイド、騎士の仕事はどうだ? 少しは慣れたか?」
「うん、少しはね。でも思ってたよりも大変だし……」
父の質問にレイドは少し苦笑いしつつ、コップに少し残っていた水を飲み干した。
「まぁ、やりがいはあるかな」
「そうか」
リガードは感慨深げに遠くを見るような目をしている。
「でも、レイドお兄ちゃんの騎士姿ってカッコいいんだろ~なぁ~。
カイルお兄ちゃんと違って」
「なんだよ、それぇ~。俺だって騎士になったら、カッコいいって」
カイルは胸を張って自信満々に言い切った。
「カイルぅ~、勉強も出来ないと騎士になれないんだぞ~」
レイドはカイルを見ながらニヤリッと笑う。
「あははっ、それじゃあカイルお兄ちゃん無理じゃん」
ミイナの一言がカイルの胸に突き刺さった。
「う゛~」
カイルはふて腐れた顔をして唸る。
「「あっははは」」
レイドとリガードはカイルの言い返せない様子を見て笑っていた。
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