俺とアイツ

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俺が唸りながら考えていると後ろから声がした 「直人、由紀、何やってるの?ホームルーム始まるよ」 俺は瞬時に反応し、顔を上げる この神のような素晴らしい声はアイツしかいない 「聖一!」 そう、由紀の致命的な欠点を知り、俺の唯一の理解者…星野聖一だ 聖一は、パートナーになりたいランキングでは由紀と一位二位を争ったぐらいルックスも良く、何でも出来る凄いヤツ だが由紀と決定的に違うのは素晴らしい性格だ 誰にも優しく誠実で、由紀とは天と地ほどの差がある そんな二人は昔からの知り合いだったらしい、だから由紀の欠点のことも知っているのだ 聖一は俺と由紀を交互に見た 「おやおや、さては由紀がまた何かやらかしたな?」 「さすが聖一、わかってるなぁ」 ウンウンと頷く俺をみて、全く由紀は、と言いながら聖一は笑った 「違います~直ちゃんがシカトしたからお怒りモードなんだ~」 由紀は聖一の後ろに隠れ、ブーイングをしてくる こいつ聖一を盾にしやがって…なんだ?俺が悪いのか?全て俺が悪いのかコンニャロー 明らかに半分以上おまえが悪いだろうが! 「ハイハイ落ち着いて二人とも、とりあえずもうすぐホームルームだから席に座ろうか」 そう言って聖一は俺達を座らせ、自分も席に座った 因みに聖一にパートナーはいない 聖一は光の貴族の頂点、星野家の一人息子で聖一の「僕はパートナーはいりません」の一言で決まりが覆されたのだ 貴族って凄いよね
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