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―RAKUMURA
確か、鈴坂 奈央といった気がする。
彼女が僕を見ていたことは気づいていた。
しかし、その眼差しは羨望と怒りと悲しみが入った“恋心”とは程遠いものだった。
一度、カウンセリングをしなければと思っていたのだが、スルリと視線を交わしいなくなるため声をかけるタイミングを失っていた。
“彼女の傷は相当深い気がする”
本職の精神科医としては見過ごすことはできなかった。
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