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高校2年生になって、クラスが変わった
だるい始業式も終わり、初めて座る2年の座席
少し新鮮な気分になりながらも、隣を見ると真剣な顔で本を読んでいる優等生
2年A組
北見紫乃(キタミ シノ)
それが私
外見も頭脳もいたって普通の女子高生
ただ、他の人と比べて確実に違うところがあるかと聞かれたら、それははっきりしていた
「何読んでるの?」
何気なく隣の男子に話し掛けてみると、チラリと私の方を見ただけで何も答えることなく視線を戻す
私と会話する気はないらしい
人のことを覚えるのが苦手な私でも、さすがにこの男のことは知っていた
頭脳明晰な優等生
藤堂時雨(トウドウ シグレ)
なんでも、成績の順位は常に1位でそれ以外はなったことがないとか
何を聞いても答えられるので、歩く辞書とも言われる
顔立ちもなかなか端正で、美形という言葉が相応しい
漆黒に染まった長めの髪に、切れ長の目
銀色のフレームの眼鏡が知的な印象を与えている
見るもの全てを魅了するその整った容姿に優れた頭脳の持ち主
聞こえはいいがさほどモテるわけではなかった
その理由は、人を見下すその態度と、相手によって態度を変える、その面倒な性格にあるらしい
私自身、この男に興味はあった
そこまで言われる程の頭脳の持ち主ならば、どこまで答えられるのか試してみたいと思ったからだ
「ねえ、無視しないでよ」
バッと手元から本を奪い取ると、一瞬驚いたように私を見て、そのあとに鋭い目付きで睨まれる
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