幼い傷は癒えずして今に

6/9
前へ
/12ページ
次へ
時間にして4時…くらいだと思う。 幼い頃のボクの記憶は曖昧だから、こんな表現ばかりで申し訳ないが、そんな感じの時間だった。 ボクは幼稚園に通ってたわけだけど いつまで経っても迎えが来ない。 お母さんが仕事ならおばあちゃんが来てくれるだろうし… 家だってボクの足で10分くらいの距離だから、普通なら仲良しの友達と同じか、それよりちょっと早くバイバイするのに…。 ふと視線をグランドから部屋のすみにいる先生たちにずらす。 みんなコショコショ話をしていた。 連絡するとか、しないとか…ボクは何も理解できずに暇を持て余すことにする。 けど、さすがに心配になってきた。 誰も迎えに来てくれないんじゃないかって。 時計の針は5時を指そうとしていた…―― .
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加