清掻き

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佳乃は冒頭の通り、器量良しではあるが、如何せん目付きと口が悪い。 馴染みの客はそこがまた堪らない、と足繁く通っては来るが、一見がその外見だけで佳乃を買おうものなら、すぐさま「こんなじゃじゃ馬は勘弁!」とばかりに匙を投げる。 遊客の間では、誰がそのじゃじゃ馬を上手く乗りこなせるか、と競いあいが始まったりもするのだから、いい方向に転がっているのかいないのか、何とも判然とはしないが、佳乃の人気は名実共に、ある意味高いのだった。
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