57人が本棚に入れています
本棚に追加
(もう少しだけ……
この人と、お話してみたいな…)
智佳は、少年との何気なく気持ちの良い会話に、ぼんやりとそう思う。
だけど初対面の相手に、ましてや女の口からそんな事言える訳もない。
第一、これではさっきのナンパ男と同じになってしまうではないか。
(これっきりで、何だか終わりたくないよ…)
(どうしよう……
でも話し掛けないと、もう話せる事もないよね?)
だけど、何とも言いづらい。
自問自答を繰り返し悩みながら、中々言葉に出来ない智佳。
口許に手をやり、ちらちらともどかしく少年を見てしまう。
(……?何やろ?
何か、言いたい事でもあるんやろか?)
智佳の視線と態度に何と無く何かを感じ取るものの、智佳の意図がはっきりと分からない。
最初のコメントを投稿しよう!