七月十八日

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御坂美琴にあとを任された桐生はメガネの学生と2人呆然と立ち去る御坂美琴の後ろ姿をみていた 「…なんというか」 メガネの学生に風紀委員に支給されている手錠をかけながらなんだかなぁという感じで話しかける 「アイツとは"実際"知り合ったのはついさっきだしほぼ赤の他人だけどな…」 メガネの学生はゆっくりと桐生の顔を見る 「"力に依存するアンタの弱さに腹が立つ"…だってさ…良いよなぁ…ああいう真っ直ぐな奴、俺にはとてもじゃないが真似できないな」 メガネの学生は虚ろな目をしたまま俯く 「…まぁ俺が言いたいのは単なる中身の無いくだらない説教とは違っただろ?ってこと」 桐生はポンポンとメガネの学生の肩を叩き 「ほら立て」と一言だけ言って立ち上がらせ ゆっくりと歩きながら警備員のもとへむかう 「"力"…ねぇ」 歩きながら桐生はまたメガネの学生に話しかける 桐生 「アンタは何のためにそんな"力"なんて欲しかったんだ?そりゃ超能力なんて便利な力…あったほうが色々得するかも知れないけどさ」 メガネの学生は何も答えない 桐生も答えなんか期待していなかった 桐生 「俺の力は実際、大したこと無い…本来ならlevel2くらいの力だろうけどな…身体検査ではちょっとだけ独特な力だからって理由でlevel3判定」 桐生は掌の上で酸素をクルクル回してそれを見つめる 桐生 「…こんなもんなんの役にたつんだかな」 桐生は掌の上にある自分の能力を見ながらゆっくりと歩き続けた
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