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同時刻。
「ぐっ...」
天井から吊された荒縄に両の手を緊縛され、いくつもの切り傷を負った長髪の男がうなだれていた。
傷には白い粉のようなものが塗りつけられているが、穏やかなものではなさそうである。
「吐け、組織の本部はどこにある?」
同室にいる煙草をくわえた男は、傷だらけの男に問い掛けた。
だが男は問い掛けには応じず、沈黙を貫いている。
「なるほど...」
男はそう呟くと、短くなった煙草を指で挟み男に近づき、ゆっくりと傷口へ煙草を押し付けた。
傷だらけの男の悲鳴が部屋中に轟くが、男は鼻で笑っている。
「助けはこないぞ...お前が吐くまでこの拷問は続くんだ...肝に銘じておけ、クイーンよ。」
その言葉にクイーンは、脂汗を流しつつもわずかな抵抗として耳を貸さなかった。
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