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「さて...ルーク、これから計画の細部を決めていきますので、頭に叩きこんでおいてくださいね。今回は隠密行動、情報が戦況を大きく左右しますからね...」
クリスは諭すようにルークへ語る。
「さすがの俺だってそんぐらいはわかってるわ!お前よりここでは長いからな。でも待て、別に隠密で動くこともねーだろ、侵入して看守共を皆殺しにすれば...」
ルークが言い終える前に、クリスがルークの言葉を遮った。
「あなたはバカなんですか?バカですね。いいですか、今回クイーンは異例の早さで投獄となりました。ここから読み取れるのは、この件は秘密裏に処理された、いわば極秘事項であるということ。
それほどクイーンの存在は大きいですからね...
極秘で捕縛されたとして、私たちが正面きって監獄を壊滅させたらどうなります?
我々チェスへ進攻する大義名分を与えてしまいます。それは避けなければなりません。したがって、今回は隠密行動、殺生は必要最小限にする必要があります。
わかりましたか?」
長々とクリスが解説すると、ルークはぐうの音も出ないようで、押し黙ってしまった。
「そう落ち込まないでください。あとでラムでもおごりますよ..」
「ホントか!?」
途端にルークの表情が明るくなる。
クリスは内心、単純だ、と思うと、次いで口を開いた。
「では早速始めます、よく聞いていてくださいね。」
作戦会議が始まった。
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