112人が本棚に入れています
本棚に追加
バーを出た二人は、寒空の中ビル群へ向かっている。
「それにしてもルーク、先程の話は本当なのですか?」
ラフな格好をした男はルークと言うらしい。
「ああ...クイーンが捕まった。」
「その話が真実だとしましたら、我々チェスにとって大損害ですね...」
「だから俺達が呼ばれたんだろ。」
「そうではありますが...はぁ、ということは奪還計画の担当は私達ですか...でしたら綿密に計画する必要がありますね...」
二人は神妙な趣で話と歩みを同時に進めている。
何やら深刻な事態が起こったらしい。
「詳細は本部に着いてからですが、私が計画を練りましょう。」
「ああ...俺に頭を求められてもな...」
「百も承知です。あなたに計画を一任したら、一晩とチェスは持ちませんよ?」
「っせーな...」
ルークは悪態をつきながらも渋々納得する。
クリスの言っていることは全て事実であり、覆しようのない現実だからである。
「話しているうちに着いてしまいましたね...本部と私の憩いの場が近くにあるのは問題ですね...」
「うだうだ言ってないで、さっさと上に行くぞ。」
「ええ...」
最初のコメントを投稿しよう!