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上階へ着くと、二人は重苦しい扉の前に立ち、近くに備え付けられた機械へ指紋を読み取らせる。
すると機械的な音が鳴り響き、二人は認証を済ませる。
組織の性質上、この手のセキュリティは非常に厳重であり、度重なる認証を潜らなければならない。
「ルーク、戻りました。」
「同じく、ナイト戻りました。」
二人は社交儀礼のように、扉を超え機械の並ぶ大部屋に入ると声をあげた。
「深夜にも関わらず悪いな、早速会議室へ来てくれ。」
中で二人を迎えてくれた初老の男が二人を急かす。
「キング...あなたがここにいては会議が始まらないじゃないですか、何をしてらっしゃるのです?」
クリスは初老の男をキングと呼び、注意を促した。
「お前らが計画の主軸になる、ひいてはお前らを欠いて会議が始まることはない。だから早くしろ。」
再び急かされると、二人はキングと共に足早に会議室へと急いだ。
間もなくして、三人は会議室の前に到着した。
「ナイトはいいにしても、ルーク!貴様は無礼が目立つからな、くれぐれも弁えるのだぞ。お前の言動は目に余るものがある!」
キングは事前にルークに釘を刺した。
「了解...」
自覚があるのか、ルークは特に反論することもなく、キングの注意を受け入れた。
「では、入ろうか。」
「了解。」
二人の声が重なり、会議室の扉が開かれた。
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