初めまして

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一言で言うと綺麗。 なんとも清楚だと力は思った 何でもお見通しかとでも言うような瞳に少し冷や汗が出た 「疋田力くん。教室に戻りなさい」 彼女の声で我に返る 自分でも驚くほど魅了されていたらしい 「疋田力く…」 「フルネームは止めてくれないかな?」 にこ、と彼女の唇に手を当て多少の笑みを溢して言った 「…では疋田くん。教室に戻りなさい」 これで何度目だろう『教室に戻れ』という言葉 「そんなにしつこく言っていたかしら」 読心術でもされていたかのように少女は返してきた 「疋田くん、教室に…」 「はいはい分かりました戻るよ」 耳にタコが出来る 力はそう思った 「─っと… 戻る前に君の名前教えてよ」 すると彼女は右手を差し伸べて 「桜田。桜田由香。 自称クラス委員よ」 握手なんていつ振りだろう そう思いながら手を握り返した 「(…ん?自称?)」 力のふとした疑問は一限目の終わりを告げるチャイムによってかき消された
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