秘められた力

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教授に名前を言うと、 テストを受け取り、 空席に腰を下ろした。 徐(おもむろ)に時計を見ると、 残り10分を切っていた。 「こりゃ~ダメだね!」 諦めて鉛筆を置き、 逆剥けした指をいじる。 すると突然、鉛筆が言う。 『あなた、落第決定ね!』 「・・・・・ほっとけ。」 人目を気にし、小声で言う。 『助けてあげてもよろしくてよ。』 「じゃあ助けろ!」 『あなた、頼み方ってものがあるでしょ?』 「・・・・・・・・・・。」 俺は、筆箱から鉛筆削りを取り出し、すごい勢いで鉛筆を削りだした。
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