秘められた力

13/15
前へ
/370ページ
次へ
時計を見ると、残り5分を切っていた。 俺は、鉛筆を強く握り締める。 俺の意志とは、関係なく スラスラと鉛筆が動く。 あっと言う間に、答案用紙の 空欄が全て埋まった。 ・・・・・合っているのか? 埋まってるから とりあえず、大丈夫だろう。 もし・・・落第したら、 この鉛筆・・・・・火炙りにして へし折ってやる。 「はい、やめ!」 教授の合図に、生徒たちが 次々と席を立つ。 俺は、筆箱に鉛筆を仕舞い、 早々と教室を出た。 「ねみ~。」 体を仰け反らせ、 豪快にあくびをした。 眠たくなってきたので、次の教科はサボり、足早に家路に就いた。
/370ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加