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いきなりあの時と同じ様な爆発音。
それとともに道場全体が揺れる感覚に襲われる。
その状況に眉を寄せ目を細めながら「まさか……」と呟く京。
そんな京に対し意味が分からないといった表情で慌てている帝。
そしてドンッと帝達が居る場所から数10メートル離れた場所にある道場の扉が開かれた。
そこには黒いローブを被っている男が一人。
帝はその姿に見覚えがあった、正確には忘れることが出来なかったのだが。
(あいつは………
あいつは………
あの時の………
父さんと母さんを殺した奴だ)
帝の勘、だが確信をもって言うことが出来た。
(あいつが、あいつが!!!)
それが分かると10年間抑えてきた復讐心がマグマのようにフツフツと煮えたぎる。
自身の復讐心に呑まれた帝は本能に忠実だった
ダンッと地面を蹴る音
帝はその場から消え、かなりあった男との距離を一瞬で潰し、右拳を腰の辺りまで引き
そして
「『神楽流』 壱式 【牙天】(ガテン)」
体全てをねじ込むように右拳を放つ。
それを相手の鳩尾を一寸の狂いなく狙う。
鈍い音が道場内に響いた。
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