プロローグ

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少年が頷くと父親は話し出した。 「一つはこの事に対する、復讐の気持ちを持たないでくれ。それはお前を必ず……必ず不幸にする」 また無言で頷く少年。それを見て父親は話を続け出した。 「お前は今からたくさんの時間を生きて行く。…………その時間の中でお前にはきっと大切な人が出来る。ゴホッゴホッ……」 話の途中で父親が咳ごみ血を吐きだした。 よく見るとその目は虚で今にも閉じられそうだ。 父親を続けた 「それを守れ、絶対に命を懸けて守れ」 それを泣きながらも頷く少年。 それを見て軽く微笑み 「幸せに………生きろ」 言い終えると、プツンと糸が切れたよう血の池に倒れた。 「お父さん?……おとう…さん。」 父親を揺らし呼び掛ける。 「ッス……おと…う………さん……ウヮァァ!!」 鼻を啜り、泣き出した。 その泣き声は天にまで聞こえるかのように、宇宙のように広く響き渡った。 この出来事は少年の胸に深く……深く刻まれる事になる。
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