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「はぁ……はぁ」
帝は息を荒げながら、自身のガラス細工のように細く繊細な赤色の髪を揺らしながら神楽道場で武術の鍛練をしている。
そんな彼のもとに一人の男がやって来る。
「おう帝、今日も頑張ってるな」
ある男から激励の言葉が発せられた。
その発せられた言葉に対して帝は
「…………………」
例の如く無視をした。
「無視すんなよぅ~」
その無視に対して駄々っ子のように男は言ってきた。とにかくうざそうだ。
ハァとため息をつき、帝は返事を返す。
「何ですか?おじさん」
彼は神楽 京(カグラ
キョウ)といい帝の父さんの弟だ。帝にとってはおじなのだが…
「いや、何でもないけどね。強いて言うなら暇だったから」
何も無かったような顔で言い放つ。
その態度が帝の逆鱗を逆なでる。
「そんなことで人の鍛練邪魔すんじゃねぇよ!!」
そんな叫びと同時に拳をねじりながら放つ。
「ぐふゎ…!」
京の右頬に拳が突き刺さった。
「また、腕を上げたな帝」
力無くガクッと倒れながら突きが決まった右頬をさすりながら、その突きを称賛した。
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