其ノ肆

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「女性に素足で地面を歩かせるなんて無粋な真似は出来ません」 終は涼しい顔でそう言い、お梅を引っ張り歩く。 終の隣で、お梅は不満そうに呟いた。 「…夜月はんも女の子やろ…」 お梅の呟きが聞こえたのか、終は驚いたようにお梅を見る。 「気付いていたんですか」 「うち、これでも勘はええんよ」 お梅が誇らしげに胸を張ると、終はフフッと笑った。 初めて会ったはずなのに、とても気が合う。 ――…まるで、姉妹みたいや。 履物屋へと案内してくれる終を横目で見ながら、お梅は生まれて初めて『家族愛』のようなものが芽生えていた。                
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