其ノ肆

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「決まりましたか?」 お鶴との話を終えた終がお梅に訊ねると、お梅は二つの下駄の前で唸っていた。 一つは紅い鼻緒で、中央に小さな白い花がついている下駄。 もう一つは、桃色で花模様の鼻緒の下駄だ。 「どっちがええかなぁ…」 真剣な表情で悩むお梅。 結局、彼女は紅い鼻緒の下駄を買うことにした。 「おやおや、美人さんだねぇ」 お梅が下駄を手に取った時、奥から三十代後半くらいの女性が現れた。 「彼女がここの店主のお華さんですよ」 困惑するお梅に気付き、終がこっそり教えてくれる。 「はじめまして。あたしはお華。ちなみに種族は人間だよ」 「うちはお梅いいます。よろしゅう」                
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