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「どうなってやがんだ、こりゃあ…」
辺りを見ながら、土方が呆然と呟いた。
あの後、目を輝かせた沖田に「行きましょう!」と言われ、半ば強引に連れ込まれてしまった。
店が立ち並び、とても賑やかだ。
しかし、土方は混乱していた。
なぜ、こんなに人がいるのにこの場所を見つけるまで気付かなかったのかと。
そんな時、ふいに後ろからチリンと鈴の音が聞こえた。
振り返ればそこには、不思議な黒い服を着た綺麗な娘がいた。
「初めまして。宵闇通りへようこそ」
そう言って微笑む娘。
「“宵闇通り”?それがここの名か?」
「はい。私はこの通りで甘味処の主兼案内屋をしている魔殊(マコト)と申します」
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