偽りの平和

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居間に入ると いつも香ってくる味噌汁の いい匂いがしない それどころか飯も 炊いてないようだ 「あはは~ 実はまだ作ってない んだ」 「なんだよ!お前も起きたばっか りかい!」 僕たちの両親はあまり家に帰って こない 父親は単身赴任 母親はほとんど泊まりがけの 仕事で、週末に来るくらいだ だから必然に妹の世話は 僕がすることになるのだが… 「待ってて、今作るから」 兄のほうが世話になってる 「いや、今日はお兄ちゃんが作ろ う!」 「却下」 泣きそうになった 「だってお兄ちゃんが作ると… 塩と砂糖は間違えるし、油はドバドバ入れるし」 「炒飯に油を入れるとパラパラに なるんだぞ」 「限度があるでしょ!」 「(´・ω・)」 「と に か く !私が作ってあげ るから大人しく待ってなさい」 そして僕たちは遅い朝食を 食べた
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