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第1章「地獄の洗礼」
目を開けると、コンクリートが剥き出しになっている粗末な天井が見えた。
思わず手を見る。
そして手首から腕まである自分の服を見つめた。
女物の白いブラウスはきれいなものだったが、先程まで床についていた部分は、埃で灰色に染まっていた。
この者の名は「城島春江(じょうじまはるえ)」という。
しかし、ここは地獄。
春江は死後、重罪を犯してしまった。
そのため、天国に行くことが許されず、その代わり、地獄に堕とされた。
地獄の罪人には一切の希望や夢をもつことが許されない。
自分のこだわりや嗜好なども全て捨てなければならない。
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