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「結衣、今日のことはお兄ちゃんが悪かったから、そんな変態のところじゃなくてお兄ちゃんのところへ戻っておいで」
「おいかなで。その変態ってまさかオレじゃないよな?」
「…………」
「オレかよっ!」
俺は変態を無視し続けた。
……変態って俺じゃないよ?
「お兄ちゃんはずるいよ……。じゃあ……今度の日曜日、結衣とデートしてくれる?」
「え──っ!?」
日曜日だと!? 日曜日はエロゲの発売日だというのに。
1・デートをする。
2・デートをしない。
3・この場を逃げる。
どうする俺、どうする!
「……いや?」
くっ、そんな涙目で見つめられると……。
「わ、わかった、日曜日な。ただし、場所はお兄ちゃんが決めるからな」
「お兄ちゃんと一緒なら結衣はどこだっていいよ」
目尻に涙を溜めたまま微笑む結衣。
くそっ、なんて可愛いんだ。
まあ、取り合えずこれでゲームは買えるな。
あとは──
「奏のばかっ!」
「いだっ!!」
凛の奴いきなり脛を蹴るだけ蹴って帰るだと!?
「お兄ちゃん大丈夫?」
「な、なんとか」
俺が涙目で答えると、結衣が隣りにしゃがみ込み脛を擦ってくれた。
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