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ん~、こういう時になんて声を掛ければいいのかよくわからないけど、とりあえず、俺は凛のことが嫌いじゃないことを伝えないとな。
「凛、俺はお前のことが好きだぞ?」
「なっ!?」
「凛は可愛いし勉強も運動もできるし、自慢の妹だぞ!」
俺はグッと親指を立てた。
「な、ななな、なに言ってんのよ!? と、突然好きだなんて──ただ嫌いかどうか聞いただけなのに……」
凛は顔を真っ赤にしながら叫ぶと、今度は俯き、先程みたいになにやらつぶやいている。
「たしかに、もう少し素直になればいいと思うときもあるし、胸ももう少し欲しいとは思うけどさ──それでも俺は凛が好きだ……ぞ?」
あれ……? なんで凛のやつ拳なんて握ってるんだ?
心なしか同じ赤色なのにその意味が違う気がするし。
あー、えーと、これはあれだな、うん。殴られるパターンだな。
っておいおいおい! せっかくマッサージしてもらって疲れを取ってもらったのに、マッサージした本人にダメージを与えられてれば意味がねえじゃねえか!
仕方ない、緊急的手段だ!
「許せ、凛!」
「えっ? ──きゃっ」
俺は拳を封じるため、バッと布団で凛を包み込むように──包み抑えるように、のほうが正しいかもれないが──抱きついた。
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