始まりはいつも突然に

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 ――それからはあっという間に全競技の全試合が終わった。ちなみに俺が出場したバスケは準優勝で、願いを叶えることが出来る条件の優勝を逃した。  だってしょうがないじゃん! 決勝戦の相手チーム元バスケ部3人もいたんだもん! あや姉に振られたイケメン先輩も超上手いし実質4人みたいなもんなんだもん!  内心で誰に向けたわけでもない言い訳をしていると、閉会式が始まった。  胸を揺らしながら壇上に上がった璃緒先輩が挨拶はほどほどに、各競技の結果を発表する。 「それじゃあ優勝クラスを発表するわ。呼ばれたクラスの代表は壇上に来てちょうだい。その時に願い事の発表もしてもらうから宜しくね」  璃緒先輩は軽く息を吸い込み、結果が書かれているであろう用紙を広げる。 「――!? ふふっ、これはすごい結果になったわね。――優勝クラスは……全競技3年5組!」  ファッ!? おいおいおいちょっと待ってくれ! 全競技優勝だって!?  全校生徒が俺と同じことを思ったらしく、体育館内がどよめきで揺れた。  璃緒先輩が制そうとマイクに向かって何か言っているみたいだけど、生徒のどよめき声があまりに大きすぎて聞こえない。けれど3年5組の生徒達は自分たちの事なのでもちろん結果を知っていたわけで、各競技の代表6人が壇上へと向かい出していた。  あれ? 競技って7種目だよな? なんで6人なんだ?  俺が不思議に思っていると、代表者たちは壇上へと辿り着き璃緒先輩の横に並んだ。
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