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「みんな静かにしてちょうだい! 黙らないとお姉さんがお仕置きするわよ?」
マジか!? ぜひお願いします!
俺が眼をギラつかせかけていると、俺の内心とは裏腹に全校生徒は静まり返った。
なんでだ!? あの璃緒先輩のお仕置きなんだぞ!? ご褒美じゃないか……。
「ここにいる6人と私を合わせて7名が代表者になるわ。それじゃああなたから願い事を聞かせてちょうだい?」
なるほど、そういえばそうだよな。璃緒先輩はあや姉と同じクラスだから5組なんだったな。
璃緒先輩は一体どんな願いごとをするのだろうか。自分の権限で出来る範囲の願いだろ? ということはいつでも叶えることが出来るわけだから、別に不要なんじゃないのか?
「それじゃあ最後に、私の番ね」
6人の代表たちが、あらかじめ各チーム内で決めていたらしい内容を伝えると璃緒先輩は受諾し、最後に自身の願いを発表する。
「2年3組、藤森奏くん――」
ん? 俺?
「私はあなたを副会長として生徒会に入ってもらうことを願うわ!」
「はぁっ!?」
「「「「えぇぇぇぇッ――!?」」」」
俺が微塵も想像していなかった璃緒先輩の願い事に思わず驚きの声を上げると、全校生徒も同様に声を上げて驚いていた。
それもそうだろう。なぜなら現在生徒会は会長の璃緒先輩のみで、入会希望者を璃緒先輩がことごとく断っていたので今はもう誰も入ろうだなんて考えていない。そして1人でも仕事をこなしているので教師陣も文句を言えないのだ。
「みんなが驚くのも無理もないわ。そしてその理由も解っているつもりよ。けどごめんなさいね、お姉さんはもう決めているの。次の生徒会長の座につく者を私の手で育て上げて引退したいの。許してちょうだいね?」
璃緒先輩が愛らしく頼むと、それまでの「なんでなんだー!?」「嘘だろー!?」「俺の璃緒たんがぁー!」などといういろいろな声が止み、しょうがないなぁという雰囲気が広まった。
ちょいっ! 俺まだオーケーしてないんですけど!? 何この雰囲気!?
この館内の雰囲気じゃあ断りたくても断れないぞ……。どうする俺……!
「宜しくね、坊や」
呆けたように口を開けていた俺に、璃緒先輩が壇上からウインクと微笑みを送ってきたのだった。
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