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ピピピピッ、ピピピピッ。
「もう朝? あと5分だけ……」
バタンッ!
「いつまで寝てんのよ!」
バフッ!
「うごっ!! ──いきなり寝ている人の上に飛び乗ってくるか普通!」
「ふんっ。いつまでも寝てる方が悪いのよ」
「そんなに兄とのデートが楽しみだったのか」
俺はやれやれと首を振った。
入学式の日、俺は凛と放課後に部活の見学をしたんだけど、帰りの途中になぜかデートをするという約束をしてしまった。
「そ、そんなわけないでしょっ! 奏が起きてこないから起こしにきてあげただけなんだからねっ!」
顔を赤くしながら俺の上から降りた凛の姿を見て気付く。
「なんか今日はやけに可愛い服だな。普段買い物に行く時の服とはえらい違いだ」
白を基調としたフリル付きのワンピースに、ツインテールはピンク色のリボンで結んでいる。
綺麗な金髪に純白のワンピースで、子供っぽい凛がそこはかとなく大人の雰囲気を醸し出している。
「か、可愛い!? あたしが……可愛い」
えへへっ、と微笑む凛。
あ、ありえねぇ! なんだこの反応は。
頬に手を当てて、いやんいやん、といわんばかりに首を振ってるし。
ま、まさか。フラグが立ったなんていうんじゃないだろうな!?
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