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それはある夏休みの日に起こった。
週に1度の生徒会活動も無く、宿題は既に終わらせているので俺が結衣の膝枕でダラダラとポータブルゲーム機でギャルゲを攻略中のことだ。
インターホンの音がリビングにいる俺たちの耳に届くと、ソファーに腰掛けファッション誌を読んでいたあや姉が立ち上がり玄関へと向かう。
少しして戻ってくると、後ろには――
「やっほー☆ 奏お兄ちゃん! るみかさんですよ~!」
あや姉の背後からひょこっと顔を出して挨拶してきたるみかちゃんの姿があった。
「えっ!? なんで!? どうして!?」
事前連絡も無く突然やって来たるみかちゃんの登場に、俺は慌てて半身を起こした。そのことに膝枕をしてくれていた結衣が少し残念そうな表情を見せていた。
俺はそんな結衣へのフォローと膝枕の礼を兼ねて頭を撫でながらるみかちゃんへ視線を戻す。
「あははっ、奏お兄ちゃん驚きすぎだよ。遊びに来たんだけど迷惑だったかな?」
「いや、それは全然いいんだけど、いきなりだったからそりゃ驚くよるみかちゃん」
「いつまでも立ち話してないで座ってよ、るみかちゃん」
「あっ、はい。ありがとうございます、あやめさん」
るみかちゃんはあや姉に促されソファーへと腰を下ろした。リビングにあるソファーは2つ。それをテーブル周りにL字型で置いているわけなんだけど、1つを俺と結衣が、もう1つをあや姉とるみかちゃんが座っている図だ。
ちなみに凛はまだ自室で寝ている。
午前10時ではあるけど、さすがに寝過ぎじゃないか? 俺も一緒に寝に行こうかな? ……でゅへへっ。
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