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「で、遊びにって言ってたけど何かしたいことでもある?」
俺は気の抜けた声を出しながら撫でられている結衣の頭を撫で続けながらるみかちゃんに質問した。
そういえば結衣シャンプー変えたのか? なんか甘い良い匂いがする。
俺は鼻腔をくすぐる結衣の香りを秘かに感じつつ返答を訊く。
「とりあえず来てみただけで、そこまで考えてなかったや。えへへっ」
るみかちゃんは照れ笑いしながら自身の頭を軽く掻いていた。
うん、可愛いです。まる。
と、そこへ、俺が鼻の下を伸ばしかけているとまたインターホンが鳴り響いた。
「また? 今度は誰だ?」
俺は「誰か呼んだ?」という風にみんなに視線を向けると、結衣もあや姉も、もちろんるみかちゃんも首を振りこれを否定した。
んー? 誰なんだ? うちは新聞とってないし、セールスや何かか?
俺は立ち上がり、腰にしがみつくように抱きついてきた結衣を引きずるような形で玄関へと向かった。
そして扉を開けると、
「…………」
俺は眼にしたことをまるでなかったかの様に無言で扉を閉める。
「待ちなさいよ」
けれどガシッと扉を掴まれそれを阻止されてしまった。
「……なんでお前がここにいるんだよ、西園寺」
「なんでとは何よ。せっかくこの私自ら来てあげているというのに、その態度と反応は無いんじゃないかしら?」
なんと2人目の来訪者はクラスメイトの西園寺愛莉であった。
西園寺は髪と同じ真っ黒なワンピース姿である。ちなみにるみかちゃんはTシャツとショートパンツという活動的な服装だ。るみかちゃんは結衣と服装の系統が似てるんだよなー。
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