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「失礼なこと? それはきっと気のせいよ。いいからあなたは黙ってそこで静かにしていなさい」
「それも失礼なことだよね!? ――ねぇ!? そうだよねっ、奏お兄ちゃんもそう思うよね!?」
「るみかちゃん、これは西園寺の照れ隠しというやつだ。気にしない方がいいぞ?」
「あっれー!? まさか奏お兄ちゃんが味方してくれないとは思わなかったよ」
「いやいや、西園寺の味方というわけでもないぞるみかちゃん。ただここで西園寺を敵にまわすと俺の命の危機なだけだ」
「ごめん、なんかるみかより辛い状況だったんだね……」
俺の一言で瞬時に状況を理解してくれたるみかちゃんは、自身に掛けられていた言葉が無かったかのように怒気が消え失せていた。
俺の状況。それは手を伸ばせば西園寺の構えている手刀が首に炸裂する距離という立ち位置のため、下手に片側の援護につくことが出来ないのだ。
胸を支える様に腕組みをしている西園寺だが、手先が俺へと向いている手が手刀の形をなぜかしているのだ。先程の目潰しのこともあり、俺はリビングに戻ってからずっと危機感を抱いていたのだ。抱きつく結衣という重りもあり回避行動は難しいしな。
とりあえずるみかちゃんが引いたことにより、西園寺との言い争いも終わりソファーへと座りなおす一同。
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