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「まったく、可愛いところもあるじゃん」
吹くかわりに思わず口にしていた俺の台詞に、一同は首を傾げ、ひまりはボンと一瞬で顔を赤くしていた。
そんな俺とひまりを交互に見ながら結衣がむむむーと怪しむように唸りだす。
「と、とにかく何をしようか早く決めようぜ」
「そ、そうですね。せっかくこうして集まっているのですから遊びましょうよ」
俺とひまりが誤魔化すように話し出す。
「なら凛も呼んでくるね。そろそろ起きてくるだろうし」
するとあや姉が立ち上がりそんなことを言ってきた。
ナイスあや姉! 流れに乗ってくれるあたりさすが頼りになる姉ちゃんだぜ!
「ああ、頼んだ」
俺は内心で親指を立てながらあや姉の後ろ姿を見送る。
「じゃあ何して遊ぶ? やっぱりゲームとかか?」
「るみかはお話でもいいよ? ひまりさんもいることだし、いろいろお話訊きたいかも」
「そ、それはまたの機会に。男の子の藤森くんもいることですし、ここはゲームでいいと思いますよ?」
「そっかー。うん、そうだよね。女の子だけのお話とか出来ないもんね」
「そ、そういうことです」
ひまりのやつ、本性のボロが出ないように俺に合わせたな? まあそれでも俺にはありがたいけどな。ガールズトークに男1人で立ち向かうとか経験値不足にも程があるってもんだ。
「藤森くん、決まったところ悪いのだけれど、私ゲームなんてほとんどしたことがないの。出来れば簡単なものにしてくれないかしら?」
「簡単なやつねー……。西園寺でも簡単に攻略できるやつってなるとやっぱりあれか?」
「ちょっと待ちなさい藤森くん。今攻略とか言ったかしら?」
「え? ああ、言ったけど。やっぱりゲームといったらギャルゲだろ? いや西園寺は女の子だし乙女ゲーのほうがよかったか?」
「そういうことじゃないわ。なんで私が藤森くんの好きな変態ゲームをしないといけないのかしら。それも、それってみんなでやるようなゲームじゃないはずよね? やはりあなたはバカなのかしら」
「テストじゃ俺の勝ちだけどな」
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