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「あ……っ」
「やっとわかったようね、藤森くん」
「さ、西園寺。客観的に訊いていて、やっぱり俺のさっきの台詞ってプロポーズになるのかな?」
「ええ、それはもう熱烈な、とまでは言わないけれど、普通に考えれば十分そう思ってしまう内容だったわね」
「マジか……。すまんあや姉、なんか勘違いさせてしまったみたいで」
「……!?」
俺が片手を顔の前に出し謝ると、あや姉は無言で露骨にショックな表情を浮かべた。それとは対極になぜか結衣と凛、それからるみかちゃんとひまり、そして西園寺まで安堵の表情となった。つか全員じゃねーか。
「どういう状況だよ、これ……」
俺はそんな女子たちを見廻しながら呟いた。
と、そこに本日何度目だよという呼び鈴が鳴り響く。まあ4度目なんだけど。
「あっ、私が出るね」
すると沈んでいたあや姉が反応し、パタパタとスリッパを鳴らしながら小走りに向かっていった。
今度はあや姉の友達か?
誰だろう。俺はあまりあや姉や結衣と凛たちの交友関係に詳しくないからな。
「おまたせー」
「あや姉、誰だったんだ?」
「あなたの未来の恋人よ」
「璃緒先輩!?」
「こんにちは、坊や。お誘いの声が掛かったから来てみたわ」
「こんにちは璃緒先輩。ってそうじゃないでしょ!? なんで先輩が未来の恋人なんですか!?」
「あら、この前の話を忘れたのかしら? ちゃんと言ったはずよ。恋人になってもらうと」
「たしかに言ってましたけど……」
あれって冗談だったんじゃないのか?
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