ゲームのお時間です

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「どうしてかしら、何故か凄く嫌な印象を受けたわ」 「奇遇ですね、私も嫌な予感がします」  西園寺の台詞に賛同するひまり。  なんだよ。そんな嫌そうな眼で見なくたっていいじゃんか。お前たちにはお菓子はあげません。 「結衣、お菓子は結衣だけだからな」 「ん? うんっ、ありがと?」  小首を傾げた後に笑顔で礼を言う結衣。けれどその言葉のニュアンスに疑問感が含まれていた。  そりゃそうだ、なんの脈絡もないんだから。 「ちょっと、結衣だけにじゃなくてあたしにもちゃんとくれるんでしょうね?」 「!?」  まさか凛のやつ!? 今の一言ですべてを察したとでもいうのか!? 「バカね、あんたの考えていることくらい解るに決まってるじゃない」 「まだそれ有効なの!?」  凛のやつ、いつまでそのエスパー設定なんだよ!? 「奏限定よ」 「!? ……ん? それって……そんなに俺のことを知りたいのか?」 「ちょっ!? ちがっ!? 勘違いしないで!」 「凛だって勘違いしないでよね! お兄ちゃんは凛のこといっぱい知りたいんだからね! ふんっ」 「キモッ」 「おい今誰が言った!?」 「…………」  誰だ!? 俺を気持ち悪いだなんて言ったやつ!? 踏んづけてやる!  凛との会話中だったから一瞬凛かと思ったけど、凛は赤面中で言葉を発していない。結衣やあや姉が俺にそんなことを言ったことはないからありえない。るみかちゃんと璃緒先輩もそういうことを言いそうにないし……となると西園寺かひまりか。 「なあ西園寺」 「何かしら気持ちの悪い藤森くん」 「……とりあえず西園寺ではなさそうだな」 「ええ、なんのことかよくわからないけれど恐らく違うわと言っておきましょう」
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