ゲームのお時間です

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「出たッ、お兄ちゃんの言ってみたい台詞ベスト10!」  俺の台詞に、腕に抱きついたままの結衣が跳ねるように反応する。  結衣のやつ、わざと押し当ててないか? だとしたら見事お兄ちゃん好みに育ってくれたものだ。おっと、凛も好きだからな? 聞こえてるか? 「よく覚えてるな結衣。そう、これは俺が日常で言いたいけど中々言えないでいる台詞のトップ3だ」 「それ私も知ってますけど、少し足りなくないですか?」  小さな顎に人差し指を当てながらひまりが言う。  あざといな。こんな女性ばかりの場所でもアイドルとしての仕草をいれてくるなんて。  そういえばひまりは秋葉原で人気アイドルらしいから、アニメや漫画に詳しくてもおかしくないのか。確かにこれはアニメの台詞の一部だからな。 「そうなんだけど、まあ大人の事情というやつだ」 「子供のくせに」 「ん? 今なんて言ったんだ?」 「あっ、いえ、なんでもないですよ?」  おかしいな、今確かにひまりがなにかボソっと言ってたはずなんだけど……。 「ちなみに1位は何なんですか?」 「知りたいかるみかちゃん。1位、それは――」  固唾をのむ一同。 「パフパフ、だ!」 「……え?」 「だからっ、パフパフ、だよパフパフ!」 「それって誰の台詞なの?」 「誰って、某漫画に登場する亀で仙人のじいちゃんだよ!」 「あー、ドラゴソボールの!」 「おしい!」  でも今回はある意味それで助かったな。
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