ゲームのお時間です

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「大丈夫だよお兄ちゃん! 結衣さんの好感度はMAX状態だから嫌いにならないよ!」 「結衣……!」 「はにゃ~……っ」 俺が目元に感じる冷たいものを拭いつつ結衣の頭を優しく撫でると、気持ち良さそうに気の抜けた声を洩らしていた。 「ねえ奏お兄ちゃん。早くやろーよー」 「その前にルール説明をしてくれないかしら? これ自作なのよね?」  俺が結衣を愛でていると、腕を組みイライラしだしているひまりを横目で見ながら焦る様に言うるみかちゃんと、イライラしながら言う西園寺。  なんでみんなそんなに急かすんだよ。時間ならいっぱいあるのに。――あー、結衣とイチャついてるからか。みんなの視線がそれを語ってる。  俺は撫でる手を止め、ボードを指差しながらルール説明を始める。 「わかった、説明するからみんな聞いてくれ」  頷く一同。 「これはよくあるゴールした時に1番金を持っていた人が勝ちってのをベースに作られてるんだけど、これには特別なマスがあってな」 「特別な、マス?」  小首をかしげる結衣。  あらやだ可愛い! 「そ、そう特別マス。このマスに停まると、停まった人と俺限定で王様ゲームをすることになるんだ。しかも俺が停まったときはそのまま俺が王様役だが、他の人の場合はじゃんけんで王様を決める」 「ちょ、ちょっとそれじゃあ圧倒的に奏が……だから俺様ゲームなのね!? 俺様って奏のことなのね!」 「よくわかったじゃん凛。ちなみに6分の1のマスが特別マスだ」 「結構な確率で停まるじゃない!」 「じゃなきゃつまらないだろ?」 「つまるわよ!」 「……うん、まあよくわかんないけどすまん。――はいっ、じゃあ順番決めのじゃんけんするぞー」 「ちょっと! いま可哀相な人を見る目で見たでしょ!」 [じゃーん・けーん――」  俺は隣で怒鳴ってくる凛を無視して進め始めた。
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